西洋絵画の基礎知識01 まとめ「西洋絵画鑑賞入門」

西洋絵画の基礎知識01 まとめ「西洋絵画鑑賞入門」

ルネサンス、バロック、印象派など西洋絵画鑑賞の基礎知識がわかりやすい。大人として知っておきたい教養、名画・西洋絵画の基礎知識。

  • 名画の分類や西洋美術の絵画様式を概観できる
  • 西洋美術史がざっとわかる

西洋絵画には、印象派とかルネサンスとかロマン主義とかゴシックとか、いろいろな○○主義(○○派)という絵画様式、ジャンル、分類があります。
この絵画様式を知ることは、西洋絵画を知ることであるとともに、西洋絵画史をひもとくことでもあります。
西洋絵画の流れや相互の関わりを知り、西洋絵画について大人として知っておきたい教養を学ぶことができます。
この記事では、西洋絵画の様式について簡単にざっと学ぶことが出来ます。
さらにこの記事は全20記事のシリーズ記事の1記事目です。
各記事では、それぞれの絵画様式についてさらに詳しく説明しています。

西洋絵画分類・西洋絵画史のかんたん年表

紀元前古代ギリシャ
紀元前
〜5世紀頃
古代ローマ
1000年頃〜ロマネスク

ゴシック
1200年頃〜国際ゴシック
初期ルネサンス
1400年頃〜北方ルネサンス
1450年頃〜盛期ルネサンス
1550年頃〜マニエリスム
1600年頃〜バロック
1700年頃〜ロココ
1800年頃〜ロマン主義
新古典主義
写実主義
ラファエル前派
象徴主義
印象主義
新印象主義
ポスト印象主義
1900年頃〜キュビスム
フォーヴィスム
抽象主義
表現主義
ダダイスム
シュルレアリスム
コンセプチュアル・アート抽象表現主義

西洋中世絵画

西洋絵画は、中世以降キリスト教とともにありました。
キリスト教美術である「ロマネスク」、キリスト教文化とゲルマン人(「ゴート人」)の文化の融合である「ゴシック」(「ゴート人」のという意味)が数百年続きます。

ロマネスク栄光のキリスト』1123年
ゴシック シモーネ・マルティーニ『受胎告知』1333年

西洋近世絵画

その後、古代ギリシャ・古代ローマの文芸を復興する運動、「ルネサンス」が始まり西欧各地に広まります。
ルネサンスには、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ三大巨匠として活躍しました。

偉大すぎた三大巨匠によって芸術は完成されたと考えられ、停滞していた後期ルネサンスに試行錯誤した画家たちは、奇抜さや巧みな表現や誇張による芸術の変革である「マニエリスム」がおこり、宮廷芸術として発展させていきました。

宗教改革により危機感をいだいたカトリック教会は、今まで以上に芸術を布教活動に活用しはじめ、装飾性を高めドラマチックで劇的な宗教画であるバロック」が広がります。

厳しくストイックな生活を強いたルイ14世が逝去しルイ15世が即位すると、王侯貴族の間では開放的で享楽的な時代がはじまりました。芸術分野でも貴族の寝室に飾る官能的で軽く開放的な「ロココ」が生まれました。

ここまでの絵画をひと言でいうと、「聖書や神話を題材に遠近法と陰影法を駆使してリアルに描く」絵画であるといえるでしょう。

ルネサンス ボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』1485年ごろ
マニエリスム エル・グレコ『オルガス伯の埋葬』1586〜1588年
バロック レンブラント『夜警』1642年
ロココ フラゴナール『ぶらんこ』1768年頃

西洋近代絵画・西洋現代絵画

フランス革命や産業革命による市民の時代の始まりにより、力を失った王侯貴族や教会をスポンサーとしていた芸術分野も大きな変革を求められた。
さらにカメラの出現も絵画に影響を与えました。

西洋近代の大きな2つの潮流は「ロマン主義」と「新古典主義」です。

産業革命や市民革命だけではなく、ナポレオンの侵攻により民族意識が高まったフランスやドイツ、スペインでは、神話や聖書ではなく現実を画家個人の内面を通して描くロマン主義が流行しました。
さらに、ロマン主義から時代性を深め社会派ドキュメンタリーとしての特徴をもつ「写実主義」が派生し、なにも美化せず現実をありのままに描きました。
その後、革新的な画風をもって、現実というよりも見たままの「印象」を捉えて描く「印象主義」(印象派)、さらに自然を真似るのではなく、好きな形、好きな色で自由に表現していく「ポスト印象主義」へと発展します。

もうひとつの潮流である「新古典主義」は、フランス革命後の激動の中、軽かったロココ等への反発から厳格な歴史画に回帰し生まれました。19世紀後半になると、画家の感情や思想を神秘的であったり超自然的なものに象徴させた「象徴主義」、見えないものを見えるように表現した「表現主義」、さらには「シュルレアリスム」や抽象主義へとつながっていきました。

20世紀になると、ポスト印象主義のセザンヌ、ゴッホ、ゴーガンらに影響を受けた新時代の画家たちが芸術を発展させていき、ピカソ、ブラックらの「キュビスム」、さらに具体的なものは描かない「抽象主義」を経て、現代絵画へとつながっていく。

遠近法や陰影法という手法にこだわらず、印象・抽象・象徴などありとあらゆる表現を用いて、画家の内面や感情を具現化させるのが、近代・現代の美術であるともいえるでしょう。

ロマン主義 ドラクロワ『民衆を導く自由の女神』1830年
写実主義 ミレー『落穂拾い』1857年
印象主義 モネ『睡蓮の池と日本の橋』1899年頃
新印象主義 スーラ『グランド・ジャット島の日曜日の午後』1884-86年
ポスト印象主義 セザンヌ『リンゴとオレンジのある静物』1895-1900年
新古典主義 ダヴィッド『皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式』1805〜07年頃
象徴主義 モロー『ヘロデ王の前で踊るサロメ』1876年

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