1400年頃〜 | ルネサンス ↓ | |
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1550年頃〜 | マニエリスム ↓ | |
1600年頃〜 | バロック ↓ | |
1700年頃〜 | ロココ ↓ |
マニエリスム
偉大すぎた三大巨匠をはじめとするルネサンスの巨匠たちにより、芸術は完成されたと考えられ、停滞していた芸術の世界。新時代の画家たちは、この停滞を打破するために試行錯誤を繰り返しました。
その結果生まれたのが、官能的で寓意的な表現がふんだんに含まれ、奇抜な芸術であるマニエリスムです。
モチーフには奇抜さが求められ、歪められた空間表現、現実にはありえない人体や動きの誇張、明暗のコントラストが特徴です。
パトロンとなったのは王侯貴族。主に肖像画や神話の絵が描かれました。
やがて、パトロンであった王侯貴族の知力を試すような、謎解きの寓意が含まれた知的芸術へと発展しました。
マニエリスムの画家と作品

マニエリスムの第一人者であるブロンズィーノの傑作。
メディチ家からフランス国王に贈られた絵画。
ヴィーナスが息子であるキューピッドを抱くが、親子というよりも恋人のように見える。
右上の翁は「時」、その下の少年は「快楽」、その横の少女は「欺瞞」、右下の仮面は「愛欲」。
左上の横顔は「真理」、左真ん中の老婆が「嫉妬」、左下の鳩も「愛」。
愛欲に耽ることを警告する寓意画だとも考えられている。

ギリシアのクレタ島出身。本名はドメニコス・テオトコプーロス。「エル・グレコ」とはギリシャ人という意味。
ヴェネツィアでヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノに師事するがスペインの宮廷画家になるという夢は挫折。後にトレドで活躍した。
本作『オルガス伯の埋葬』はそんなトレドのサント・トメ教会の礼拝堂のために描かれた。
「オルガス伯」はトレドの篤志家オルガス伯ルイスのことで、1312年にルイスが埋葬されるときに、2人の聖人が天から降りてきたという故事に基づく。
エル・グレコの作品である『受胎告知』は、日本の大原美術館に、『十字架のキリスト』は国立西洋美術館に所蔵されている。

マニエリスムの象徴のような誇張された人体表現をもちながらも優美さを失わない傑作。
聖母子像ではあるが、どのような意図をもちどのような寓意が込められているのか謎が多い作品。

農作物と人物を融合させた寓意画を得意とした、マニエリスムきっての奇想の画家。
本作は皇帝の肖像画であるが、ローマ神話の庭園や果樹と果物の神ウェルトゥムヌスと融合している。