世界の名画ランキング:西洋絵画100選+20選・101位から110位まで10選
大人の教養として知っておきたい世界の名画120選をランキング形式でご紹介。この記事では101位から110位までを絵画画像と説明つきでご紹介します。
大人の教養として知っておきたい世界の名画120選をランキング形式でご紹介。
この記事では101位から110位までを絵画画像と説明つきでご紹介します。
101位 アングル「皇帝の座につくナポレオン1世」
最高権力者の威厳を見事に表現
絵画の題名 | 皇帝の座につくナポレオン1世 |
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絵画の作者 | ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル(フランス) |
美術様式 | 新古典主義 |
絵画の制作年 | 1806年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 260cm × 163cm |
絵画の所蔵 | アンヴァリッド 軍事博物館(フランス、パリ) |
後に新古典主義の巨匠となるアングル25歳のときの作品。
ナポレオン・ボナパルトの皇帝即位を記念して描かれた。
勝者の冠である月桂冠をかぶり、深紅に白い毛皮でつくられた戴冠式の衣装、右手にもつのは神聖ローマ帝国初代皇帝シャルルマーニュ(カール大帝)の王笏、左にはフランスの王権の象徴「正義の手」の笏と装飾された剣を持つ。
ないよりも近田強い目力が王者の貫禄をあらわし、皇帝の戴冠式肖像画としてふさわしい威厳をもった絵画となった。
102位 パルミジャニーノ「長い首の聖母」
マニエリスムの象徴のような誇張された人体表現をもちながらも優美さを失わない傑作
絵画の題名 | 長い首の聖母 |
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絵画の作者 | パルミジャニーノ(イタリア) |
美術様式 | マニエリスム |
絵画の制作年 | 1534年〜1540年 |
絵画の画材 | 油彩、板 |
絵画の寸法 | 216cm × 132cm |
絵画の所蔵 | ウフィッツィ美術館(イタリア、フィレンツェ) |
偉大すぎたルネサンスの巨匠たちから脱却するため、誇張した人体表現に至ったマニエリスム初期の作であり代表作のひとつ。
聖母マリアと幼子イエス、6人の天使(1人の顔は薄く未完成と思われる)、右下に聖人が描かれている。
マリアの長い首や指、天使の細長い足など、誇張したありえない人体表現が印象的。
イエスも通常描かれるよりも幼子とは呼べない程度にだいぶ成長した姿で描かれていて、その姿勢や表情は後の受難と死をあらわしている。
右下の聖人は聖ヒエロニムスで、もうひとりセットで描かれる「聖会話」形式とすることが多い聖フランチェスコは足だけが描かれている。
柱は1本しか描かれていないようにみえるが、基壇部分は7本あり、キリストの頭髪が描かれていないことなどからも、本作が未完成であることがわかる。
103位 ティツィアーノ「ウルビーノのヴィーナス」
ティツィアーノ『ウルビーノのヴィーナス』はポルノ認定されるため、画像のみを開いて鑑賞してください。
『ウルビーノのヴィーナス』の絵画画像を開く→『ウルビーノのヴィーナス』
官能的挑戦的に描かれたヴィーナス
絵画の題名 | ウルビーノのヴィーナス |
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絵画の作者 | ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(イタリア) |
美術様式 | 盛期ルネサンス |
絵画の制作年 | 1538年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 119cm × 165cm |
絵画の所蔵 | ウフィッツィ美術館(イタリア、フィレンツェ) |
ジョルジョーネの『眠れるヴィーナス』を模倣したポーズながら、より官能的に、ヴィーナスの視線は挑発的に描かれた。
貞節を象徴する犬は眠っていて、貞節ではないという暗喩がみられる。
後生のマネは本作に影響を受け『オランピア』(第89位)を描いた。
104位 ジョルジョーネ「眠れるヴィーナス」
ジョルジョーネ『眠れるヴィーナス』はポルノ認定されるため、画像のみを開いて鑑賞してください。
『眠れるヴィーナス』の絵画画像を開く→『眠れるヴィーナス』
後生に多大な影響を与えた近代美術の出発点
絵画の題名 | 眠れるヴィーナス |
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絵画の作者 | ジョルジョーネ(ス) |
美術様式 | 盛期ルネサンス |
絵画の制作年 | 1510年〜1511年頃 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 108.5cm × 175cm |
絵画の所蔵 | ドレスデン美術館(ドイツ、ドレスデン) |
神話の説話などではなく、ただひとりを主題として描いたことは西洋絵画史上の転換点となった。
未完成であった本作は『ウルビーノのヴィーナス』を描いたティツィアーノの加筆により完成された。
ティツィアーノは風景とキューピッドを加筆したが、キューピッド部分は後に塗りつぶされた。
ヴィーナスの柔らかな質感と曲線、裸体と風景の融合は、後生の画家たちに大きな影響を与えた。
105位 フェルメール「デルフトの眺望」
光の魔術師が様々な技法を駆使して描いた風景画
絵画の題名 | デルフトの眺望 |
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絵画の作者 | ヨハネス・フェルメール(オランダ) |
美術様式 | オランダ・バロック |
絵画の制作年 | 1659年〜1660年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 97cm × 116cm |
絵画の所蔵 | マウリッツハイス美術館(オランダ、ハーグ) |
『真珠の耳飾りの少女』で有名なフェルメールが描いた風景画。
謎に包まれたフェルメールが生涯を過ごしたデルフトの都市景観を描いた。
運河越しのこの風景は実際のものとは異なり、構図を優先し建物の配置をずらし、建物の高さもあえて低く描いている。
部分的にかなり厚く絵具を重ねているところもあれば、点描のように光の反射を表現したり、水は薄く溶いた絵の具を境目なく重ね透明感を表現した。
近景を雲の影にはいるように暗めに、遠景に光を当てることで奥行きを与えている。
106位 カバネル「ヴィーナスの誕生」
カパネル『ヴィーナスの誕生』はポルノ認定されるため、画像のみを開いて鑑賞してください。
『ヴィーナスの誕生』の絵画画像を開く→『ヴィーナスの誕生』
「芸術の王道」と称されたなめらかな裸体画
絵画の題名 | ヴィーナスの誕生 |
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絵画の作者 | アレクサンドル・カバネル(フランス) |
美術様式 | 新古典主義 |
絵画の制作年 | 1863年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 130cm × 225cm |
絵画の所蔵 | オルセー美術館(フランス、パリ) |
印象派が活動したころ、印象派と正反対の立場であったアカデミック芸術の王道を極めた画家カバネルの代表作。
ギリシャ神話の海の泡から生まれた美の女神ヴィーナスをテーマにしたルネサンス期に人気の主題を300年後によみがえらせた。
遠くに見える島はヴィーナスが上陸するキプロス島。
カバネルはなめらかな肌を描くことにこだわり、筆跡をのこさないように最新の注意を払って描いた。
107位 レンブラント「フローラに扮したサスキア」
「光と影の画家」が妻を美の女神として描く
絵画の題名 | フローラに扮したサスキア |
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絵画の作者 | レンブラント・ファン・レイン(オランダ) |
美術様式 | オランダ・バロック |
絵画の制作年 | 1634年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 125cm × 101cm |
絵画の所蔵 | エルミタージュ美術館(ロシア、サンクトペテルブルク) |
『夜警』で有名なレンブラントが「花と美の女神フローラ」に扮した妻サスキアを描いた肖像画。
洞窟内の暗さをさらに暗く強調し、光が当てられた衣装が輝くさまに、光と影の画家の技量がふんだんにあらわれている。
108位 ロセッティ「プロセルビナ」
地上に焦がれる女神の表情が印象的
絵画の題名 | プロセルビナ |
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絵画の作者 | ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(イングランド) |
美術様式 | ラファエロ前派 |
絵画の制作年 | 1874年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 125.1cm × 61cm |
絵画の所蔵 | テート・ブリテン(イギリス、ロンドン) |
プロセルピナはローマ神話の女神で、ギリシャ神話ではペルセポネーといい春の女神。
冥界の神プルートに一目惚れされたプロセルピナは、地下の冥府へと連れ去られる。
冥界の食べ物を食べると冥界の住人になってしまうという約定どおり、知らずに冥界の食べ物であるザクロを食べてしまったプロセルピナは、一年のうち半分を冥界で、もう半分を地上で過ごすこととなる。
プロセルピナが地上に出ると花々が咲き乱れ、春が訪れるという。
この神話を題材にした本作では、冥界にいるプロセルピナはザクロの実を持ち、奥にある光は地上をあらわしている。
109位 ラトゥール「いかさま師」
いかさまのシーンで教訓を寓意した風俗画
絵画の題名 | いかさま師 |
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絵画の作者 | ジョルジュ・ド・ラ・トゥール(ロレーヌ公国、現フランス) |
美術様式 | バロック |
絵画の制作年 | 1635年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 106cm × 146cm |
絵画の所蔵 | ルーヴル美術館(フランス、パリ) |
トランプ賭博のいかさまのシーンを描く。
右の若い男がカモにされている状況で、左の男がいかさま師。中央の遊女とメイドもいかさま師とグルで青年をだましている。酒、女、金に溺れるものがどうなるのか、教訓も込められているとも考えられている。
ラトゥールは同じ構図の絵画を何度も描き、本作は「ダイヤの札」を持っているが、「クラブの札」をもったバージョン(キンベル美術館)もある。
110位 ブーグロ「アムールとプシュケー、子供たち」
再評価された画家の耽美な作品
絵画の題名 | アムールとプシュケー、子供たち |
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絵画の作者 | ウィリアム・アドルフ・ブーグロー(フランス) |
美術様式 | 新古典主義 |
絵画の制作年 | 1890年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 119.5cm × 71cm |
絵画の所蔵 | 個人蔵 |
左がアムール(クピド、キューピッド)、右が人間の王女プシュケー。
神であるアムールと人間であるプシュケーの禁断の恋が描かれている。
1873年作の「ファースト・キス」とまったく同じ構図の絵画とよく混同される。
印象派の画家と正反対の立場にいたブーグローは、時代にの流れに取り残され忘れ去られていったが、20世紀末になってから再評価され、フランスを代表する画家のひとりであったとみなされるようになった。