世界の名画ランキング:西洋絵画100選+20選・51位から60位まで10選

大人の教養として知っておきたい世界の名画120選をランキング形式でご紹介。この記事では51位から60位までを絵画画像と説明つきでご紹介します。

大人の教養として知っておきたい世界の名画120選をランキング形式でご紹介。
この記事では51位から60位までを絵画画像と説明つきでご紹介します。

51位 モディリアーニ「裸婦」

アメデオ・モディリアーニ『裸婦』はポルノ認定されるため、画像のみを開いて鑑賞してください。
裸婦』の絵画画像を開く→『裸婦

警察に撤去された官能的でデフォルメされた裸婦像

絵画の題名裸婦
絵画の作者アメデオ・モディリアーニ(オ)
美術様式エコール・ド・パリ
絵画の制作年1917年頃
絵画の画材油彩、カンヴァス
絵画の寸法73cm × 116cm 
絵画の所蔵グッゲンハイム美術館(アメリカ、ニューヨーク)

モディリアーニは大胆にデフォルメされた裸婦像を多く描き、本作は「目を閉じた裸婦」とも呼ばれる。
モディリアーニはエコール・ド・パリの代表的な人物であるが、作品は1916年から1919年の短期間に集中して描かれた。
本作を発表した個展は裸婦像ばかりがならび、警察が踏み込み作品は撤去された。
「エコール・ド・パリ」はパリ派とも呼ばれ、1920年代を中心にパリで活動した画家たちをいう。
印象派やキュビズムのような画風や理論を指す言葉ではない。

52位 フィンセント・ファン・ゴッホ「自画像」

フィンセント・ファン・ゴッホ『自画像

精神の不安が如実に表現された自画像

絵画の題名自画像
絵画の作者フィンセント・ファン・ゴッホ(ス)
美術様式ポスト印象主義
絵画の制作年1889年
絵画の画材油彩、カンヴァス
絵画の寸法65cm × 54cm 
絵画の所蔵オルセー美術館(フランス、パリ)

ゴッホは短い画家人生の中で多くの自画像を描いた。
絵が売れず貧困状態にあったゴッホはモデルを雇うことができず、鏡さえあれば描ける自画像を多く描いたと思われる。
本作は精神を病んだ後に描かれた自画像で、力強い眼力と堅い表情、不安をあらわすような背景が印象的。

パリ時代(1887年)に描かれた自画像
耳切事件の包帯が生々しい自画像

53位 ゴヤ「我が子を食らうサトゥルヌス」

フランシスコ・デ・ゴヤ『我が子を食らうサトゥルヌス

神話を借りて人間の残虐性を描いた「黒い絵」シリーズの名画

絵画の題名我が子を食らうサトゥルヌス
絵画の作者フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス(スペイン)
美術様式ロマン主義
絵画の制作年1819年〜823年
絵画の画材油彩、カンヴァス
絵画の寸法146cm × 83cm 
絵画の所蔵プラド美術館蔵(スペイン、マドリード)

衝撃的なこの作品は、ローマ神話の一場面である、ルーベンスも同じ主題で描いている。
農耕神サトゥルヌス(クロノス)は将来自分の子に殺されるという予言を恐れ、狂気に取り憑かれ5人の我が子を丸呑みにした。
本作では丸呑みではなく頭を囓るというさらなる凶行に及んでいる様子を描く。
本作は当初サトゥルヌスの陰茎を勃起させて描いていたが、後に修正された。

54位 フェルメール「レースを編む女」

ヨハネス・フェルメール『レースを編む女

世界で最も美しい絵画と賞賛された小さな名画

絵画の題名レースを編む女
絵画の作者ヨハネス・フェルメール(オランダ)
美術様式オランダ・バロック
絵画の制作年1669年〜1670年頃
絵画の画材油彩、板の上のカンヴァス
絵画の寸法24cm × 21cm 
絵画の所蔵ルーヴル美術館(フランス、パリ)

オランダ・バロックの画家フェルメール後期の最高傑作で、印象派の巨匠ルノワールも「世界で最も美しい絵画」と賞賛した。
薄ぼんやりとした光の表現や、市民の日常の風景を描いたフェルメールらしい作品。
A4サイズに満たない小さな絵画。

55位 モネ「印象-日の出」

モネ『印象-日の出

印象派の由来となった印象派創始者の歴史的名画

絵画の題名印象-日の出
絵画の作者クロード・モネ(フランス)
美術様式印象派
絵画の制作年1872年
絵画の画材油彩、カンヴァス
絵画の寸法48cm × 63cm 
絵画の所蔵マルモッタン美術館(フランス、パリ)

『睡蓮』で知られるクロード・モネが「第1回印象派展」に出品し、「印象派」の名前の由来となった名画。
この『印象・日の出』は「描きかけの壁紙よりひどい」と酷評され、侮蔑の意味を込めて「印象派」と呼ばれた。
モネがイギリスでみたイギリス・ロマン主義のターナーの作品の影響を強く受けていることがわかる作品。

56位 エル・グレコ「オルガス伯の埋葬」

エル・グレコ『オルガス伯の埋葬

天に召される様子を上下に分かれた構図で描く

絵画の題名オルガス伯の埋葬
絵画の作者エル・グレコ(ギリシャ)
美術様式マニエリスム
絵画の制作年1586年〜1588年
絵画の画材油彩、カンヴァス
絵画の寸法460cm × 360cm 
絵画の所蔵サント・トメ教会(スペイン、トレド)

画家の出身地トレドの篤志家オルガス伯が天に召される様子を、トレドの教会の礼拝堂に描いたのが本作品。
オルガス伯が埋葬されるときに、天から2人に成人が降りてきたという故事に基づく。
絵画の上半分は天上界で、上部にキリスト、その下に聖母マリアと召されるオルガス伯が描かれている。
下部は地上の様子で、オルガス伯の埋葬の様子が描かれている。

57位 アルチンボルド「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像」

アルチンボルド『ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像

奇抜なコラージュで描かれた皇帝の肖像画

絵画の題名ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像
絵画の作者ジュゼッペ・アルチンボルド(イタリア)
美術様式マニエリスム
絵画の制作年1590年頃
絵画の画材油彩、板
絵画の寸法68cm × 56cm 
絵画の所蔵スコークロステル城(スウェーデン、ウプサラ)

マニエリスムのジュゼッペ・アルチンボルドは、農作物と人物を融合させた寓意画を得意とした。
野菜、果物、動物、花などをコーラジュして肖像画を描く。これらは自然の恵みとして、豊穣や繁栄の願いが込められている。
本作は神聖ローマ帝国皇帝の肖像画であるが、ローマ神話の庭園や果樹と果物の神ウェルトゥムヌスと融合している。
皇帝は本作を大変気に入り、作者アルチンボルドに爵位を贈られた。

58位 クラムスコイ「忘れえぬ人」

イワン・ニコラーイェヴィチ・クラムスコイ『忘れえぬ人

ロシアのモナ・リザ

絵画の題名忘れえぬ人
絵画の作者イワン・ニコラーイェヴィチ・クラムスコイ(ロシア)
美術様式ロシア・写実主義
絵画の制作年1883年
絵画の画材油彩、カンヴァス
絵画の寸法75.7cm × 99cm 
絵画の所蔵トレチャコフ美術館蔵(ロシア、モスクワ)

通称「ロシアのモナリザ」
ロシアで最も有名な作品のひとつ。
かつての「モナ・リザ」と同じようにモデルが誰であるのか不明。

絵画はサンクトペテルブルクのアニチコフ宮殿近くの通りで馬車に乗る女性が描かれている。
後ろに少し描かれているのはアレクサンドリンスキー劇場。
女性は当時最新のファッションに身を包んでいて、毛皮とリボンのコート、薄い革手袋、羽根飾りに付いたベルベットの帽子を身にまとっている。

ロシアの絵画はあまりなじみがないが、ロシア帝国末期にかけて活躍した「移動派」は非常に完成度の高い作品を多数のこしている。
民衆の貧しさや美しさ、苦しみや忍耐を描き、ロシア解放運動とも連動して活躍した。
ドイツやフランスのロマン派と似たような作品をのこしており、風景や人物像に多くの意味が込められ、見る者を作品の中に惹きこむ魅力をもつ。

59位 マグリット「白紙委任状」

マグリット『白紙委任状

最も有名なだまし絵

絵画の題名白紙委任状
絵画の作者マグリット(ベルギー)
美術様式シュルレアリスム
絵画の制作年1965年
絵画の画材油彩、カンヴァス
絵画の寸法81.3cm × 65.1cm 
絵画の所蔵ナショナルギャラリー(アメリカ、ワシントン)

シュルレアリスムの画家マグリットは多くのだまし絵的な絵画を描いたが、本作はその中で最も有名な作品のひとつ。
本来見える物と見えない物を同時に表現した。

マグリット『大家族』
マグリット『人の子』
マグリット『イメージの裏切り』

60位 カンディンスキー「コンポジション8」

カンディンスキー『コンポジション8

抽象絵画の創始者が描く音楽

絵画の題名コンポジション8
絵画の作者ワシリー・カンディンスキー(ロシア、ドイツ、フランス)
美術様式表現主義・抽象主義
絵画の制作年1923年
絵画の画材油彩、カンヴァス
絵画の寸法140cm × 201cm 
絵画の所蔵ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(アメリカ、ニューヨーク)

抽象主義の創始者ともいわれるカンディンスキーが30年にわたり描いた「コンポジション」シリーズの1枚。
音楽のように聴衆に強い感情をもたらす芸術を目指したカンディンスキーの理論と内面が表出した作品。

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