世界の名画ランキング:西洋絵画100選+20選・31位から40位まで10選
大人の教養として知っておきたい世界の名画120選をランキング形式でご紹介。この記事では31位から40位までを絵画画像と説明つきでご紹介します。
大人の教養として知っておきたい世界の名画120選をランキング形式でご紹介。
この記事では31位から40位までを絵画画像と説明つきでご紹介します。
31位 ブリューゲル(父)「バベルの塔」
神に挑戦する傲慢な人間の姿を大迫力で描く
絵画の題名 | バベルの塔 |
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絵画の作者 | ビーテル・ブリューゲル(オランダ) |
美術様式 | 後期フランドル絵画 |
絵画の制作年 | 1563年頃 |
絵画の画材 | 油彩、板 |
絵画の寸法 | 114cm × 155cm |
絵画の所蔵 | ウィーン美術史美術館(オーストリア、ウィーン) |
『旧約聖書』の「創世記」にあるバベルの塔を描く。
手前の一行はバベルの塔建設を指揮するニムロデ王。
建築現場には無数の人々が描かれており、その大きさの対比によりバベルの塔の大きさを際立たせている。
「バベルの塔」は創世記に記述された物語で、神に挑戦するために天まで届く塔を建設した人々に対し神は怒り、塔を崩壊させさらに人々の言語をバラバラに分けたとされる。
世界中で様々な言語が話されている理由を説明する物語ともなっている。
作者は奇想の画家ヒエロニムス・ボスを受け付いだブリューゲル。長男も画家で同名なため、「ブリューゲル(父)」と表記されることが多い。
32位 モネ「睡蓮の池と日本の橋」
25年以上描き続けることになる睡蓮の初期の作品
絵画の題名 | 睡蓮の池と日本の橋 |
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絵画の作者 | クロード・モネ(フランス) |
美術様式 | 印象派 |
絵画の制作年 | 1899年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 88.3cm × 93.1cm |
絵画の所蔵 | ロンドン・ナショナルギャラリー美術館(イギリス、ロンドン) |
モネは自宅に庭園をつくり、睡蓮の咲く池を幾度となく描いた。
日本風の太鼓橋が架かる絵は18点のこされており、本作もそのひとつ。
「睡蓮」は60歳頃から約25年間でおよそ200点描いている。
本作はジヴェルニーに居を構え睡蓮の庭を造ったころのまだ初期の作品で、次第に水面の光等を描くより印象的な作風へとうつっていく。
33位 ジョン・エヴァレット・ミレイ「オフィーリア」
ハムレットの悲劇のヒロインと情景を緻密に描きだす
絵画の題名 | オフィーリア |
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絵画の作者 | ジョン・エヴァレット・ミレイ (イギリス) |
美術様式 | ラファエロ前派 |
絵画の制作年 | 1851年〜1852年頃 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 76.2cm × 111.8cm |
絵画の所蔵 | テート・ブリテン(ロンドン・イギリス) |
「オフィーリア」は「ハムレット」に登場する悲劇のヒロイン。父を殺されたオフィーリアが悲嘆のあまり川に流され、沈んでしまう前に歌を口ずさんでいるさまを描く。
「裾が大きく広がって、人魚のようにしばらく体を浮かせてーそのあいだあの子は、古い小唄を口ずさみ、自分の不幸が分からぬ様ー水の中で暮らす妖精のように。」
ひとつひとつの葉っぱや花びらが植物学上も正確に緻密に描かれているが、次第にミレイはこのような緻密な絵画を描くことはなくなった。
34位 パブロ・ピカソ「アヴィニョンの娘たち」
ピカソの作品はすべて著作権保護期間内にあるため、絵画画像を掲載することができません。
許諾されたAmzonへのリンクとして書籍の表紙画像のみ掲載します。
所蔵されているニューヨーク近代美術館(MOMA)のサイトで作品画像をお楽しみください。
Pablo Picasso Les Demoiselles d’Avignon
キュビスムの嚆矢であり20世紀絵画の転換点
絵画の題名 | アヴィニョンの娘たち |
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絵画の作者 | パブロ・ピカソ(スペイン) |
美術様式 | キュビスム |
絵画の制作年 | 1907年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 243.9cm × 233.7cm |
絵画の所蔵 | ニューヨーク近代美術館(アメリカ、ニューヨーク) |
パブロ・ピカソの代名詞でもあるキュビスム。
本作はキュビスムの嚆矢となった作品で1907年に制作されたが、あまりにも前衛的すぎて一般に公開されたのはおよそ10年後。
ピカソがアフリカやエジプトのプリミティブ・アートに傾倒していたアフリカの時代とキュビスムの時代を繋ぐ作品で、娘たちの顔にはアフリカ彫刻やエジプト彫刻の影響がみられる。
キュビスムとは
立体派と意味するキュビスムは、ポール・セザンヌの多角的な視点を再構成する技法を突き詰め、様々な視点からみた対象物を幾何学的立体に分解し再構成する絵画様式。
ピカソとブラックが共同研究をした。
西洋絵画の基礎知識18 20世紀絵画「キュビスム」
西洋近代絵画のキュビスムの基礎知識がわかりやすい。大人として知っておきたい教養、名画・西洋絵画の基礎知識。
35位 ダヴィッド「サン・ベルナール峠を越えるナポレオン」
英雄の虚構の場面を描いたプロパガンダ絵画
絵画の題名 | サン・ベルナール峠を越えるナポレオン |
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絵画の作者 | ジャック=ルイ・ダヴィッド(フランス) |
美術様式 | 新古典主義 |
絵画の制作年 | 1801年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 271cm × 232cm |
絵画の所蔵 | ヴェルサイユ宮殿美術館(フランス、ヴェルサイユ) |
ナポレオンの第二次イタリア遠征でアルプスのサン・ベルナール峠を超えるナポレオンの姿を理想化して描いたプロパガンダ絵画。
実際には防寒具にくるまりロバでアルプス越えをおこなった。
画面左下の石には、かつてアルプス越えをおこなった英雄のハンニバルとカール大帝の名が刻まれ、ナポレオンを偉大な英雄と並ぶ者とする意図がみられる。
36位 ミュシャ「ジスモンダ」
ミュシャの人生を変えたアール・ヌーヴォーを代表する広告ポスター
絵画の題名 | ジスモンダ |
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絵画の作者 | アルフォンス・ミュシャ(チェコ) |
美術様式 | アール・ヌーヴォー |
絵画の制作年 | 1895年 |
絵画の画材 | リトグラフ、紙 |
絵画の寸法 | 213cm × 75cm |
絵画の所蔵 | ミュシャ財団美術館(チェコ、プラハ) |
1894年のクリスマス、売れない挿絵画家アルフォンス・ミュシャに突如舞い込んだ依頼が、彼の人生とアール・ヌーヴォーの歴史を変えた。
本職のイラストレーターたちがクリスマス休暇でいないとき、人気女優の舞台ポスターを元旦までに仕上げて欲しいと印刷業者に依頼が入った。対応できるのは生活費を稼ぐため休暇を取ることができない挿絵画家のミュシャだけ。
この時にミュシャが描いたのが本作『ジスモンダ』。
このポスターを気に入った舞台「ジスモンダ」主演の人気女優の専属となったミュシャ、一躍時代の寵児となり、アール・ヌーヴォーを代表するグラフィックデザイナーとなった。
37位 ヤン・ファン・エイク「アルノルフィーニ夫妻」
油彩画を確立した「神の手を持つ画家」による歴史上初となる精緻な油彩の風俗画
絵画の題名 | アルノルフィーニ夫妻 |
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絵画の作者 | ヤン・ファン・エイク(ベルギー) |
美術様式 | 初期フランドル(北方ルネサンス) |
絵画の制作年 | 1434年 |
絵画の画材 | 油彩、板 |
絵画の寸法 | 82cm × 60 cm |
絵画の所蔵 | ロンドン・ナショナルギャラリー(イギリス、ロンドン) |
フランドル地方のいわゆる北方ルネサンスに分類される画家ヤン・ファン・エイクは、「神の手を持つ」と称されるほどに緻密な描写を得意とした。
溶いた油を薄く塗ることで重ね塗りをする油彩画を確立した画家でもあり、本作は緻密に描かれた初めての油彩画として非常に重要な絵画。
さらに本作は富裕層ではあるが一般市民の日常の風景を描いた初の風俗画ともいわれる。
本作の主題は結婚の立ち会いとみられ、本作自体が結婚証明書としての効力をもったと考えられている。
38位 ターナー「雨、蒸気、スピードーグレート・ウエスタン鉄道」
その場にいるかのような臨場感で描ききったイギリス・ロマン主義の代表作
絵画の題名 | 雨、蒸気、スピードーグレート・ウエスタン鉄道 |
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絵画の作者 | ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(イギリス) |
美術様式 | ロマン主義(イギリス・ロマン主義) |
絵画の制作年 | 1844年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 91cm × 122cm |
絵画の所蔵 | ロンドン・ナショナルギャラリー(イギリス、ロンドン) |
蒸気機関車がロンドンのテームズ側を渡ってくる様子を描いたターナー晩年の代表作。
スピードや音までも描いた作品として有名。
ターナーは風景をそのまま描くのではなく、その風景を構成する大気や日の光、産業革命による機械の鼓動、蒸気、スピード、音など、その場の臨場感を余すところなく描き込んだ。
39位 ミレー「種蒔く人」
真摯に働く農民を描くキリスト教絵画
絵画の題名 | 種蒔く人 |
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絵画の作者 | ジャン=フランソワ・ミレー |
美術様式 | 写実主義 バルビゾン派 |
絵画の制作年 | 1850年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 101.6cm × 82.6cm |
絵画の所蔵 | ボストン美術館(アメリカ、ボストン) |
農民の暮らしを描き続けた「農民画家」ミレーの代表作のひとつ。
麦の種を蒔く農民を描く。
「種を蒔く」という行為は、キリスト教では「マタイによる福音書」にあるキリストの例え話にあり、種は神の言葉をあらわす。つまり「種まく人」は神の言葉を教え広げるキリストをあらわす。
本作『種蒔く人』は同じ構図でもう1作品描かれており、山梨県立美術館に所蔵されている。
『種蒔く人』はゴッホも多く描いたこと知られる。
40位 ラファエロ「アテネの学堂」
西洋絵画一の巨匠ラファエロが描く哲学者と巨匠たち
絵画の題名 | アテネの学堂 |
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絵画の作者 | ラファエロ・サンツィオ |
美術様式 | 盛期ルネサンス |
絵画の制作年 | 1509年〜1510年 |
絵画の画材 | フレスコ、壁画 |
絵画の寸法 | 557cm × 814cm |
絵画の所蔵 | ヴァチカン美術館(ヴァチカン市国) |
数百年にわたり西洋絵画の本家本流とみなされ理想とされたルネサンスの巨匠ラファエロの作品で、ヴァチカン教皇庁(ヴァチカン宮殿)のラファエロの間に描かれている。
描かれているのは古代ギリシアの哲学者たちで、哲学者になぞらえルネサンスの巨匠も描いている。
中央の2人は古代哲学者の巨人プラトンとアリストテレス。
プラトンが上を指さしているのはプラトンの観念的なイデア論などの哲学を意味し、アリストテレスが地を指しているのはアリストテレスの現実的な自然哲学をあらわしている。
画面中央左寄りで左側を向いているオリーブ色の人物はソクラテス。
またプラトンはレオナルド・ダ・ヴィンチとして描かれ、画面手前で頬杖をつくのはミケランジェロとして描かれた自然哲学者ヘラクレイトス。
画面右の黒い帽子でこちらを見るのがラファエロ自身。
ルネサンス三大巨匠のラファエロ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロの3人が描かれると主に、古代哲学の巨人たちが描かれた巨大な壁画。