世界の名画ランキング:西洋絵画100選+20選・11位から20位まで10選

世界の名画ランキング:西洋絵画100選+20選・11位から20位まで10選

大人の教養として知っておきたい世界の名画120選をランキング形式でご紹介。この記事では11位から20位までを絵画画像と説明つきでご紹介します。

大人の教養として知っておきたい世界の名画120選をランキング形式でご紹介。
この記事では11位から20位までを絵画画像と説明つきでご紹介します。

11位 ダ・ウインチ「最後の晩餐」

レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐

謎とダヴィンチの技法がちりばめられたキリスト教絵画の傑作

絵画の題名最後の晩餐
絵画の作者レオナルド・ダ・ヴィンチ(イタリア)
美術様式盛期ルネサンス
絵画の制作年1495〜1498年頃
絵画の画材油彩、テンペラ・壁画
絵画の寸法420 cm × 910 cm 
絵画の所蔵サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(イタリア、ミラノ)

「ヨハネによる福音書」にあるイエス・キリストの最後の晩餐を描く。
イエス・キリストが「あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている。」と発言し、驚く12弟子が描かれている。
イエスの右隣に座っている女性のような人物はヨハネ。女性のようにみえるため「ダヴィンチ・コード」では「マグダラのマリア」とされた。
その左下にいる肌の黒い人物が、裏切り者とされるイスカリオテのユダ。右手にはイエスを裏切った代金である銀貨30枚が入った袋が握られている。

イエスのこめかみに消失点がある遠近法「一点透視図法」と正三角形のキリストにより、視点がキリストに集まる。
輪郭を描かない「スフマート技法」、遠いものを青白く描く「空気遠近法」、解剖学に基づいたリアルな人体表現など、ルネサンスの技法を駆使して描かれた。
ダヴィンチの作品は完成品がほとんど遺されていない中、ダヴィンチの珍しい完成した作品。

当時の絵画の顔料は鉱石を粉末状にすりつぶしたものが利用されるが、青い色は非常に高価な「ラピスラズリ」を使用している。しかしながら、イスカリオテのユダの青い衣服だけは安価な「アズライト」が使用されていることがわかっている。

ダヴィンチが壁画として描いたそのままの壁に現在も保存されており、完全予約制ではあるが一般にも公開されている。

12位 ミレー「晩鐘」

ジャン=フランソワ・ミレー『晩鐘

敬虔な農民を描く静謐さに溢れたプロテスタント絵画の傑作

絵画の題名晩鐘
絵画の作者ジャン=フランソワ・ミレー(イタリア)
美術様式写実主義(バルビゾン派)
絵画の制作年1857年〜1859年
絵画の画材油彩、カンヴァス
絵画の寸法55.5 cm × 66 cm 
絵画の所蔵オルセー美術館(フランス、パリ)

黄昏の農村で、遠景にある教会の鐘の音が響き渡り、農民の夫婦が帽子を取り祈りを捧げている。
厳粛な農民の夫婦は、ミレー幼少期の祖母の姿を基にしている。
祈りと労働を描いた農民画家ミレーらしい作品。
「プロテスタント絵画」として有名であるが、ミレー自身はカトリックでプロテスタント絵画として作成したわけではなく、この絵画「晩鐘」の発注者がプロテスタントであった。

13位 ミケランジェロ「アダムの創造」

ミケランジェロ『アダムの創造

旧約聖書の一節を描いたバチカンにある礼拝堂の天井画

絵画の題名アダムの創造
絵画の作者ミケランジェロ・ブオナローティ(イタリア)
美術様式盛期ルネサンス
絵画の制作年1508年〜1512年
絵画の画材フレスコ、天井画
絵画の寸法280 cm × 570 cm 
絵画の所蔵システィーナ礼拝堂(ヴァチカン市国)

ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の天井画「天地創造」のなかでも最も有名な部分。
神が最初の人間であるアダムに生命を吹き込む瞬間を描いている。
ルネサンス三大巨匠のひとりであり西洋美術史上最高の芸術家ともいわれるミケランジェロの最高傑作。

14位 ゴッホ「夜のカフェテラス」

フィンセント・ファン・ゴッホ 『夜のカフェテラス

大好きな夜の行きつけカフェを描く穏やかな時

絵画の題名夜のカフェテラス
絵画の作者フィンセント・ファン・ゴッホ (オランダ)
美術様式ポスト印象主義
絵画の制作年1888年
絵画の画材油彩、カンヴァス
絵画の寸法81  cm × 65.6 cm 
絵画の所蔵クレラー・ミュラー美術館(オランダ、ヘルダーラント)

「星月夜」と同じく夜を描いたゴッホの代表作。
「ひまわり」「自画像」とともにあまりにも有名な作品。

南フランスのアルルにあるカフェを描いており、人が賑わっているのがわかる。
夜なのに「黒」を使用せず青で描き、ゴッホが「夜」そのものを描くことにはまっていた時代の作品。
本作含めゴッホ作品に出てくる夜空の星々は、適当に描いているのではなく天文学上正しい配置で星が描かれていることがわかっている。
このカフェは現在も「カフェ・ファン・ゴッホ」として現存している。
ゴッホはよくこのカフェを利用していて、お気に入りのカフェを描いた。

37歳でピストル自殺したこと、ゴーギャンとの共同生活、耳を切り裂いた自画像、弟テオとの関係と死、生前に1枚しか絵が売れなかったことなど、作品のみならずその劇的な人生が、今なお多くの人を惹きつける芸術家ゴッホの代表作。

15位 エドガー・ドガ「踊りの花形(エトワール)」

エドガー・ドガ『踊りの花形

華やかな舞台の光と影を描き出す「踊り子の画家」最高傑作

絵画の題名踊りの花形(エトワール)
絵画の作者エドガー・ドガ
美術様式印象派
絵画の制作年1876年
絵画の画材モノタイプ、パステル、紙
絵画の寸法60 cm × 44 cm 
絵画の所蔵オルセー美術館(フランス、パリ)

踊り子を多く描いたドガの代表作。
舞台の中央でスポットライトを浴びる花形(エトワール)と、その後ろのほかの踊り子たちや黒服の男性を描くことで、舞台の上に光と影、人間ドラマを描き出す。
エトワールのポーズが決まる直前の一瞬を捉えたデッサン力と表現力が見事な名作。

モノタイプ

モノタイプとは、版に絵具を直接のせて描き、それを紙に写し取る版画のような技法のこと。
版画と異なり1枚しか取れないため「モノ」と呼称する。

16位 ボッティチェリ「春 プリマヴェーラ」

ボッティチェリ『春 プリマヴェーラ

春を賛美するギリシャ神話の神々を描いた「春の寓意」

絵画の題名春 プリマヴェーラ(春の寓意)
絵画の作者サンドロ・ボッティチェリ(イタリア)
美術様式盛期ルネサンス
絵画の制作年1482年頃
絵画の画材テンペラ、板
絵画の寸法205 cm × 315 cm 
絵画の所蔵ウフィツィ美術館蔵(イタリア、フィレンツェ)

「ヴィーナスの誕生」で有名なボッティチェリのもうひとつの代表作。
春の訪れを擬人的(擬神的?)に、豊穣と愛の象徴として、春の森に集う神々を描いたとされる。
中心の女性は美の女神ヴィーナスで、鑑賞者と目が合う。
その上にはヴィーナスの子クピド(キューピッド)が描かれるが、目隠しをしており盲目な恋も寓意している。
右の青い人物は西風の神ゼピュロス(ゼファー)(西風(そよ風)=Zephyr(ゼファー)の語源となった)。樹木の精霊でありニンフでもあるクローリスを呼び起こす。
クローリスの口からは花々があふれ、クローリスが花の女神フローラへと姿を変えた結果が右から3番目の女性。
一番左の男性は伝令や旅人の守護神マーキュリー(メルクリウス、ヘルメス)。手に杖を持ち、上空の雲からオレンジ園を守っている。
その右横の3人の女性は、美の女神・貞潔の女神・愛の女神の3美神である。
画中に約40種の花が描かれた春を賛美する作品。
世界で最も有名な絵画作品であり、最も議論の的となっている作品のひとつでもある。

17位 モンドリアン「赤、黄、青と黒のコンポジション」

ピート・モンドリアン『赤、黄、青と黒のコンポジション

抽象絵画の代表作。直線と三原色と白・黒・灰色のみの構図(コンポジション)

絵画の題名赤、黄、青と黒のコンポジション
絵画の作者ピート・モンドリアン(オランダ)
美術様式抽象主義
絵画の制作年1921年
絵画の画材油彩、カンヴァス
絵画の寸法59.5 cm × 59.5 cm 
絵画の所蔵ハーグ市立美術館(オランダ、ハーグ)

本格的な抽象画を描いた最初の画家モンドリアンの代表作。
一見適当に線と色を描いただけにみえるが、その「構図(コンポジション)」は緻密に計算されつくされている。
純粋なリアリティと調和を求め続けたモンドリアンの結晶がここにある。
絵画は普遍的宇宙の秩序を表現しなければならない
モンドリアンがたどり着いた様式の特徴は、垂直と水平の直線と、赤・青・黄の三原色と白・黒・灰色のみで構成する。
絵そのものだけではなく、展示方法や額縁にまでこだわり芸術を追究し、完璧を求め続けたストイックな芸術家として知られる。
この絵が現代アートではなく、ピカソらがキュビズムを追求していた時代に描かれたことは驚嘆に値する。

18位 カミーユ・コロー「真珠の女」

カミーユ・コロー『真珠の女

バルビゾン派の風景画家が描いた「モナ・リザ」

絵画の題名真珠の女
絵画の作者カミーユ・コロー(フランス)
美術様式写実主義 バルビゾン派
絵画の制作年1868年〜1870年頃
絵画の画材油彩、カンヴァス
絵画の寸法70 cm × 55 cm 
絵画の所蔵ルーブル美術館(パリ、フランス)

「モナ・リザ」を強く意識して描かれた作品。
題名にある真珠は描かれておらず、額の木の葉が真珠にみえたとか、少女の肌が真珠のように美しいとか、題名の由来には諸説ある。
作者は写実主義に風景画を確立させたバルビゾン派の風景画家カミーユ・コロー。
農村の風景を多く描いた。

バルビゾン派とは

バルビゾン派とは、1850年頃のフランスを中心として流行した同時代の現実を美化せずありのままに描いたのが写実主義のなかでも、パリ郊外のバルビゾン村に移住し芸術活動をおこなった一派のこと。

19位 アンリ・マティス「ダンス」

アンリ・マティス『ダンス

野獣のような激しさと緻密さが同居したフォーヴィスムの代表作

絵画の題名ダンス
絵画の作者アンリ・マティス
美術様式フォーヴィスム
絵画の制作年1910年
絵画の画材油彩、カンヴァス
絵画の寸法260 cm × 391 cm 
絵画の所蔵エルミタージュ美術館(ロシア、サンクトペテルブルク)

フォービズム(野獣派)アンリ・マティスの代表作。
激しい色使いやタッチから「野獣の檻の中にいるようだ」と揶揄されたことから命名された。
キュビズムが理知的であるとすれば、フォービズムは感情的。色も目に見えるものではなく心感じる色を描く。
本作も人物を赤く描いた。
感覚的で感情の赴くままに描いたようにみえるが、何度も何度も下絵を描き、納得できるまで何度も描き直した。
友人であったピカソからは「最初の絵が一番いい」と揶揄されたという話もある。

フォーヴィスムとは

フォーヴィスムとは、20世紀初頭、あまりには鮮烈な色彩とデフォルメされた主題、荒々しく大胆なタッチで、「野獣のようだ」と揶揄された絵画様式。
短命な美術様式であったが、同時代や後の芸術家に与えた影響は大きく、20世紀絵画の幕開けともなった。

20位 ポール・ゴーガン「我々はどこから来たのか、我々は何者なのか、我々はどこへ行くのか」

ポール・ゴーガン『我々はどこから来たのか、我々は何者なのか、我々はどこへ行くのか

ゴーガンがタヒチで人生観を遺書として描いた大作

絵画の題名我々はどこから来たのか、我々は何者なのか、我々はどこへ行くのか
絵画の作者ポール・ゴーガン(ゴーギャン)
美術様式ポスト印象派
絵画の制作年1897年
絵画の画材油彩、カンヴァス
絵画の寸法139 cm × 374.5 cm 
絵画の所蔵ボストン美術館(アメリカ、ボストン)

ポール・ゴーギャンの代表作。
タヒチに魅せられたゴーギャンが、タヒチで描いた作品。
自殺を図る直前に描かれたことから、ゴーギャンの人生と画家としての集大成的な作品であるとみられている(自殺は未遂に終わる)。
横幅374.5cmの巨大な作品。
画面の右から赤子・禁断の果実を取る成人・死を目前にした老婆が描かれ、人生の始まりから終わりまでを描いていると考えられている。
ゴーガンの精神世界と想いが込められている。

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