1800年頃〜 | ロマン主義 ↓ | 新古典主義 ↓ |
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写実主義 ラファエル前派 ↓ | 象徴主義 ↓ | |
印象主義 ↓ | ↓ | |
新印象主義 ↓ | ↓ | |
ポスト印象主義 ↓ | ||
1900年頃〜 | キュビスム ↓ | フォーヴィスム ↓ |
抽象主義 ↓ | 表現主義 ↓ | |
ダダイスム ↓ | シュルレアリスム ↓ | |
コンセプチュアル・アート | 抽象表現主義 |
フォーヴィスム
「野獣派」を意味する「フォーヴィスム」の名前は、あまりには鮮烈な色彩とデフォルメされた主題、荒々しく大胆なタッチで、「野獣のようだ」と揶揄されたことによります。
1905年〜1910年頃という短い期間ではありましたが、ポスト印象主義の集大成として、そして20世紀絵画の幕開けとして、西洋絵画史上とても重要な運動でありました。
その色は、目に映る色ではなく心に感じた色であり、象徴主義と印象主義を融合した「色の自由化」運動であったともいえます。
印象派以降、国や芸術家団体が主体となった保守的で権威あるサロンに対抗した新しい芸術を担う展覧会が多く開催されました。
特に重要な展覧会が、1905年に開催されたサロン・ドートンヌ(秋季展)。フォーヴィスムの旗手となるマティスのほか、ルオー、ヴラマンク、マルケといった画家の作品が並びました。
ポスト印象派の影響を強く受けた強烈な作品群は、美術批評家ヴォークセルに「野獣」と揶揄され、この蔑称がそのままフォーヴィスムの様式名となりました。
フォーヴィスム自体は短命に終わり、フォーヴィスムの画家たちはそれぞれの道に進化していきましたが、激しい色彩で画家の内面を表現する流れは表現主義に受け継がれ、20世紀絵画の幕開けとなりました。
アンリ・マティス
アンリ・マティス 1869年〜1954年 フランス フォーヴィスム
フォーヴィスムの代表者であり、「色彩の魔術師」ともいわれた20世紀を代表する画家のひとり。
師匠である象徴主義のギュスターヴ・モローから、画家自身の内面を表現することを学ぶ一方、印象派の色彩表現だけではなく、ゴッホ、セザンヌ、ゴーガンらポスト印象主義の影響を強く受け、心の感じるままに自由な色彩・絵画表現を追求するようになりました。