世界の名画ランキング:西洋絵画100選+20選・111位から120位まで10選
大人の教養として知っておきたい世界の名画120選をランキング形式でご紹介。この記事では111位から120位までを絵画画像と説明つきでご紹介します。
大人の教養として知っておきたい世界の名画120選をランキング形式でご紹介。
この記事では111位から120位までを絵画画像と説明つきでご紹介します。
111位 ピカソ「海辺を走る二人の女」
ピカソの作品はすべて著作権保護期間内にあるため、絵画画像を掲載することができません。
許諾されたAmzonへのリンクとして書籍の表紙画像のみ掲載します。
所蔵されているピカソ美術館のサイトで作品画像をお楽しみください。
https://www.museepicassoparis.fr/fr/deux-femmes-courant-sur-la-plage
ピカソがキュビスムから脱却し幸せを謳歌した時代の代表作
絵画の題名 | 海辺を走る二人の女 |
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絵画の作者 | パブロ・ピカソ(スペイン) |
美術様式 | ピカソの新古典主義 |
絵画の制作年 | 1922年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 32.5cm × 41.1cm |
絵画の所蔵 | ピカソ美術館(フランス、パリ) |
ピカソがルネサンス期などの巨匠の作品に強く影響を受けた「新古典主義の時代」の代表作。
結婚し息子が生まれたピカソがブルターニュ地方のリゾート地ディナールへ休暇で訪れた幸せな夏に描かれた作品。
112位 ゲインズバラ「青衣の少年」
背景を抽象的に描き人物を際立たせた肖像
絵画の題名 | 青衣の少年 |
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絵画の作者 | トマス・ゲインズバラ(イギリス) |
美術様式 | ロココ |
絵画の制作年 | 1779年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 177.8cm × 112.1cm |
絵画の所蔵 | ハンティントン・ライブラリー (アメリカ、カリフォルニア) |
描かれている少年が誰であるのかは確かではないが、肖像画に革命をおこしたともいえる作品。
従来までメインで使用されることのなかった寒色である青を全身に使用し、背景を抽象化させることで肖像画の目的である肖像を際立たせることに成功している。
113位 ロイスダール「ワイク・バイ・ドゥールステーデの風車」
オランダ黄金時代風景画の最高傑作
絵画の題名 | ワイク・バイ・ドゥールステーデの風車 |
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絵画の作者 | ヤーコプ・ファン・ロイスダール(オランダ) |
美術様式 | オランダ・バロック |
絵画の制作年 | 1670年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 83cm × 101cm |
絵画の所蔵 | アムステルダム国立美術館(オランダ、アムステルダム) |
フェルメールやレンブラントらが活躍したオランダ黄金時代で成功した風景画家ロイスダールの作品。
オランダらしい風車と海と船が描かれている。
雲により光と影のコントラストが劇的な印象を与えているだけではなく、船も風車も科学的に正確に描かれている。
114位 カミーユ・ピサロ「カフェ・オ・レを飲む若い農婦」
農民の日常を素朴に描いた新印象派
絵画の題名 | カフェ・オ・レを飲む若い農婦 |
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絵画の作者 | カミーユ・ピサロ(フランス) |
美術様式 | 新印象派 |
絵画の制作年 | 1881年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | cm × cm |
絵画の所蔵 | 館(ン) |
印象派から新印象派として活動したカミーユ・ピサロの第7回印象派展出品作品。
カミーユ・コローの風景画に学び、印象派のまとめ役となり、新印象派として活動したカミーユ・ピサロは、風景画を多く描き、晩年はとくに都市の景観描いた都市風景画を多数のこしている。
115位 マティス「赤のハーモニー」
一面赤で塗られたフォーヴィスムの傑作
絵画の題名 | 赤のハーモニー、(赤い部屋) |
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絵画の作者 | アンリ・マティス(フランス) |
美術様式 | フォーヴィスム |
絵画の制作年 | 1908年 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 180.5cm × 221cm |
絵画の所蔵 | エルミタージュ美術館(ロシア、サンクトペテルブルク) |
アンリ・マティスのフォーヴィスム時代最高傑作。
構図は平面的でありながら装飾的で、窓の外の緑と室内の赤の対比が見事。
本来「青」で塗られていたが、気に入らなかったマティスは一晩で赤に塗り直したという。
116位 ファン・エイク兄弟「ゲントの祭壇画(神秘の子羊)」
油彩画の技法で描かれた最初の作品
絵画の題名 | ゲントの祭壇画(ヘントの祭壇画)(神秘の子羊) |
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絵画の作者 | ファン・エイク兄弟(ス) |
美術様式 | 初期フランドル |
絵画の制作年 | 1425年〜1432年 |
絵画の画材 | 油彩、板 |
絵画の寸法 | 350cm × 460cm |
絵画の所蔵 | 聖バーフ大聖堂(ベルギー、ゲント) |
油彩画の技法を確立した「神の手を持つ画家」ヤン・ファン・エイクとフーベルト・ファン・エイク兄弟が描いた多翼祭壇画で、制作中に兄フーベルトは死去、弟ヤンが後を継ぎ完成させた。
観音式の扉の内側に描かれており、閉じると別の絵が描かれている。
上段中央がキリスト、左右が聖母マリアと洗礼者ヨハネ。
ヨハネの横にはパイプオルガンを弾く天使、マリアの横には合唱する天使たち。外側にはアダムとイヴが描かれている。
下に描かれているのはキリストを崇拝する信者たちで、中央には神の子羊、天使、聖霊、生命の泉。
左側に男性殉教者と下に異教徒とユダヤの預言者、右側には女性殉教者とその下には十二使徒とローマ教皇と聖人たち。下段左右端にはキリストの騎士と隠者・巡礼者たち。
扉を畳んだ状態の絵は『受胎告知』となっている。
117位 ティツィアーノ「聖なる愛と俗なる愛」
俗世の愛と神へ聖なる愛を混ぜ合わせる
絵画の題名 | 聖なる愛と俗なる愛 |
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絵画の作者 | ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(イタリア) |
美術様式 | 盛期ルネサンス |
絵画の制作年 | 1515年頃 |
絵画の画材 | 油彩、カンヴァス |
絵画の寸法 | 118cm × 279cm |
絵画の所蔵 | ボルゲーゼ美術館(イタリア、ローマ) |
ローマ石棺のような泉に座るふたりの女性とキューピッド。
左の着衣の女性の服装は花嫁衣装であるとみられている。反対に右の女性は裸体で腰に白い布と肩に赤いマントのみをまとう。
どちらの女性も愛と美の女神ヴィーナスであるとみられていて、裸のヴィーナスは天上の聖なる愛を、着衣のヴィーナスは俗世の現実の愛をあらわしている。中央のキューピッドは泉の水をかき混ぜていて、聖と俗を混ぜ合わせていると考えられる。
作者ティツィアーノの代表作『ウルビーノのヴィーナス』に代表されるように、神話をテーマにしながら現実の女性美を描き出すのはティツィアーノの特徴で本作にも遺憾なく発揮されている。
118位 フィリッポ・リッピ「聖母子と二天使」
額縁から出てきてしまうだまし絵の聖母子
絵画の題名 | 聖母子と二天使 |
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絵画の作者 | フィリッポ・リッピ(イタリア) |
美術様式 | 初期ルネサンス |
絵画の制作年 | 1465年頃 |
絵画の画材 | テンペラ、板 |
絵画の寸法 | 95cm × 62cm |
絵画の所蔵 | ウフィッツィ美術館(イタリア、フィレンツェ) |
聖母マリアと幼子キリストのほか、キリストを抱え上げる二天使が描かれている。
いたずらをしているような表情でこちらを見る天使がなんなのか、この構図にどのような意味があるのかなどが議論の的となっており、合唱するマリアにキリストを掲げるのは人と神の関係をあらわしているとも、マリアが幼子を抱いていないことからキリストと聖母マリアの結婚をあらわすとする異論もある。
119位 ロートレック「ムーラン・ルージュのラ・グリュ」
「ムーラン・ルージュ」のポスターにしてロートレックのポスターの始まり
絵画の題名 | ムーラン・ルージュのラ・グリュ |
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絵画の作者 | アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(フランス) |
美術様式 | ポスト印象主義 |
絵画の制作年 | 1891年 |
絵画の画材 | リトグラフ、紙 |
絵画の寸法 | 195cm × 122cm |
絵画の所蔵 | トゥールーズ=トートレック美術館(フランス、アルビ) |
ロートレックはポスターを多く描いたが、本作は第1作目のポスターにしてロートレックのポスターの代表作。
ポスターなので多数刷られたが、主に使用されなかったものが美術館に所蔵されている。
「ムーラン・ルージュ」はパリのキャバレーで、中央の女性はスターダンサーの通称「ラ・グリュ」ことルイーズ・ウェーバー。男性は「骨なし」ヴァランタン。
細かい色を表現できない当時のポスター技術を逆手にとり、日本の浮世絵を研究したロートレックの手腕が発揮されている。
当時27歳で若手だったロートレックは、この作品により一躍売れっ子画家となることになった。
120位 ダ・ヴィンチ「ウィトルウィウス的人体図」
絵画ではないがルネサンス期の科学を示す重要な資料
絵画の題名 | ウィトルウィウス的人体図 |
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絵画の作者 | レオナルド・ダ・ヴィンチ(イタリア) |
美術様式 | ー |
絵画の制作年 | 1487年頃 |
絵画の画材 | 紙、ペンとインク |
絵画の寸法 | 34.4cm × 25.5cm |
絵画の所蔵 | アカデミア美術館(イタリア、ヴェネツィア) |
ウィトルウィウスとは古代ローマの建築家のことで、彼の著作『建築論』をもとにレオナルド・ダ・ヴィンチが考察し描いたドローイングが本作。「人体の調和」とも呼ばれている。
人体比率には普遍的な調和があるとした内容で、現代科学ではこれが誤りであることがわかっているが、医学のシンボルとして多く用いられている。