西洋絵画の基礎知識08 西洋近世絵画「ロココ」

西洋絵画の基礎知識08 西洋近世絵画「ロココ」

西洋近世絵画、ルネサンスの後のロココがわかりやすい。大人として知っておきたい教養、名画・西洋絵画の基礎知識。

西洋絵画史 近世のかんたん年表
1400年頃〜ルネサンス
1550年頃〜マニエリスム
1600年頃〜バロック
1700年頃〜ロココ

ロココ

ロココ様式の特徴をひとことで言うと、「ベルサイユのばら」。
厳しくストイックな生活を強いたルイ14世が1715年に逝去し、ルイ15世が即位すると、王侯貴族の間では開放的で享楽的な時代がはじまりました。
芸術分野では、プッサンを代表とするフランス古典主義の堅苦しい画風は廃れ、貴族の寝室に飾る官能的・装飾的で軽く開放的なロココが生まれました。
ロココの重要人物は画家ではなく、ルイ15世に寵愛された愛人のひとり、ポンバドゥール侯爵夫人
夫人はサロンを開き、啓蒙思想家や芸術家と交流しパトロンとなった。
ロココはフランス革命による王権の失脚まで続く。
雅宴画(がえんが:宴を描いた)、閨房画(けいぼうが:寝室や婦人の居間の様子を描いた)の時代でもある。

ヴァトー

アントワーヌ・ヴァトー 1684年〜1721年 フランス

アカデミー会員になるために描いた作品『シテール島への巡礼』が高く評価されるが、アカデミーにはふさわしいジャンルがなく、新しいジャンル「雅宴画(フェート・ギャラント)」が作られた。
ロココを代表する画家となったが、36歳の若さで死去した。

ロココ アントワーヌ・ヴァトー『シテール島への巡礼』1717年
「雅びな宴」を描いた雅宴画の代表作。
愛の女神ヴィーナスが上陸したとされるシテール島に巡礼するとよい伴侶に恵まれるという伝説があり、当時このエーゲ海の島は巡礼地となっていた。
このシテール島に上陸した8組の恋人たちを描く。
※「シテール」はフランス語読みで、日本ではキティラ島と呼ばれる。

フランソワ・ブーシェ

フランソワ・ブーシェ 1703〜1770年 パリ ロココ

ポンバドゥール侯爵夫人をはじめ王侯貴族の人気を集めた宮廷画家で、特に婦人たちの寝室を飾る官能的な絵画を多く描いた。ロココを代表する画家のひとり。

ロココ フランソワ・ブーシェ『ポンバドゥール侯爵夫人』1756年 油彩
ロココ芸術のみならず西洋思想史上重要な「百科全書」のパトロンともなったポンバドゥール侯爵夫人の肖像画。
手に持つ書物は婦人の知性を象徴している。

フラゴナール

ジャン・オノレ・フラゴナール 1732年〜1806年 フランス ロココ

ロココを代表するとともにロココ時代の最後を飾る画家。

ロココ フラゴナール『ぶらんこ』1767年 油彩
ブランコで靴を遠くに飛ばす遊びを楽しむ婦人。
右の男性は婦人の夫。左下の男性が婦人の愛人。
左にある愛のキューピッド像が口に人差し指を当てていて、これが秘められた愛、つまり不倫関係を描いた作品であることがわかる。

次に読む記事