皇居一般参観概要
平成28年6月25日から、皇居は当日受付で参観できるようになりました。
参観人数も各回300人程度から500人程度に拡充。
さらに土曜日も参観ありになって、ぐっと身近になりました。
もちろん無料です。
外国人参観者への対応も拡充されて、英語だけだった音声ガイドが韓国語、中国語、フランス語、スペイン語にまで増えました。
それもそのはず、平成28年の外国人比率はなんと「36.4%」
10年前の平成18年は「8.2%」
さらに10年前の平成8年度は「3.3%」だったので、外国人の観光名所としての皇居が定着していることがわかります。
平成27年は23.9%。1年で12.5ポイントも上がっているのでまだ上がるでしょう。
私が参観したときも外国人の方ばかりでした。
皇居一般参観参観者人数
http://www.kunaicho.go.jp/event/sankan/pdf/sankansya.pdf
当日参観方法
参観は1日2回
10時00分と13時30分です。
所要時間は約75分間。
途中退出は出来ないので、時間に余裕があるときに行きましょう。
当日参観受付は、10時00分の回は8時30分から整理券を配布。
9時30分から50分くらいまでの受付となります。
午後の回は同じく、12時00分から整理券を配布。
13時00分から受け付けです。
各回先着順で定員に達し次第締め切りとなりますが、相当運が悪くなければ問題なく参観できるでしょう。
整理券配布と受付場所は同じで、皇居桔梗門の前になります。
身分証明書がないと入ることができません。
もちろん今まで通り、事前予約もやっています。
皇居に入る他の機会
参考までに、一般参観のほかに一般人が皇居に入る機会を挙げておきます。
一般参賀
12月23日の天皇誕生日
1月2日のの新年一般参賀
の年2回、天皇皇后両陛下と皇族方に直接参賀をする機会があります。
歌会始
短歌を応募して当選すれば、毎年1月皇居宮殿でおこなわれる歌会始(うたかいはじめ)に参加できます。
歌会始の詠進要領(平成30年)
http://www.kunaicho.go.jp/event/eishin.html
秋期雅楽演奏会
毎年10月下旬から11月はじめの3日間、皇居内でおこなわれる雅楽の演奏会を観覧できます。
7月下旬に募集要項が発表されるので、往復はがきで申し込みます。
秋季雅楽演奏会の申込要領
http://www.kunaicho.go.jp/event/ensokai.html
皇居勤労奉仕
皇居内をお掃除するボランティアです。
昭和20年から始まり、現在も行われています。
私が一般参観したときも、勤労奉仕隊の方々が宮殿前をお掃除されていました。
奉仕は15名以上の団体で申し込み、4日間の奉仕期間となります。
6ヶ月から1ヶ月前に申し込みが必要。
皇居乾通り一般公開
桜で有名な乾通り(いぬいどおり)の一般公開も桜の季節に行われています。
京都御所
京都御所は平成28年7月より、手続き不要で常時公開されるようになりました。
皇居東御苑と同じような扱いですね。
ただし公務等で使用されるときには一般参観中止となるので、宮内庁の発表をチェックしましょう。
仙洞御所・桂離宮・修学院離宮
別途申し込みの記事を書いたのでご確認ください。
確実に予約できる。仙洞御所、桂離宮、修学院離宮の参観方法
桂離宮の参観手続きで皇居内宮内庁参観係へ
正倉院外構
歴史の授業で習った正倉院も宮内庁の管轄です。
平成の修理が終わり、「正倉」の外構が平日の10時00分〜15時00分まで無料公開されています。
皇居参観案内
スタッフの先導で桔梗門から中に入ると、まずは窓明館(休所)へ入ります。
入る前に手荷物検査。
バッグの中まで確認します。
窓明館は普通の休憩所です。
勤労奉仕の方々もここで休憩します。
参観はスタッフに付いて回ることになります。
途中退出は出来ませんし、経路内にトイレはありませんので、ここで済ませておきましょう。
小さなお土産屋もあって、ここでしか買えない皇居グッズがいっぱい。
ハンドタオル、夫婦箸、名刺入れ、なんでもかんでも菊紋が入っています。
参観は列になって先導のスタッフに付いていきます。
スタッフはトークがお上手。
参観経路は2.2km
坂もあります。
車いすも用意されているので、足腰に自信がない方は遠慮無く申し出ましょう。
経路は以下の通り。
桔梗門(入門)-窓明館(休所)-富士見櫓下-塔の坂-宮殿東庭-宮殿中門-正門鉄橋-宮殿東庭-宮殿北車寄前-山下通り-宮内庁庁舎前-桔梗門
富士見櫓まで
参観始まるとすぐにある石垣。
皇居の前身である江戸城を築城するときは、江戸城のどこが何藩、と藩ごとに担当するエリアが決まっていました。
各藩は、「このエリアはうちがやったよー」というサインとして、石垣に家紋を刻みました。
これは丸に十文字の家紋。おそらく薩摩藩島津氏の家紋です。
担当した藩によって工法も違いました。
はっきりとここからは違う人が作ったとわかるような場所もあります。
東御苑でみることができます。
まず最初にみえてくる見どころ、富士見櫓(ふじみやぐら)
明暦の大火(1657年)で焼失しましたが、2年後の万治2年(1659年)に再建されて今に残っています。
震災や戦災も乗り越え今目の前にある貴重な遺構です。
どこからみても同じようにみえるので、八方正面の櫓とも呼ばれました。
三層構造で少し小さな天守閣。
実際、明暦の大火により焼失した後に再建されることがなかった天守閣に代わり、天守閣として利用されていたという話もあります。
櫓は高さ約16m、石垣は約15mあります。
宮内庁と宮殿
1935年に建築された庁舎。
実際に宮内庁職員が働いています。
中には食堂や郵便局もありますが、一般は利用できません。
宮殿焼失時には再建されるまで仮宮殿として利用されました。
これが宮殿。
天皇皇后のお住まいではなく、国賓の接待等の行事に使用されます。
戦災により焼失した前宮殿に代わり、1968年に完成しました。
こう見えても鉄筋コンクリート。
私たちがみることができる長い建物は「長和殿」
新年の一般参賀で皇族方がお目見えになるのもこの場所。
ニュースで見ると遠くて高いところにいるように見えますが、実際はかなり近いです。
生け垣は寒椿と山茶花。
一般参賀がおこなわれる真冬には紅白の花が咲きます。
後ろの黄色いのは有田焼の灯篭。
これは宮殿横にある「松の塔」と呼ばれる照明。
松の葉をかたどった照明は、1枚1枚の葉の間から明かりが灯るみたいです。
1回夜に見てみたい。
ちなみに宮殿前のこのエリアが宮殿東庭。
一度に2万人を収容できます。
一般参賀の際には、この白い石の部分が一般客の最前列になります。
さらに驚いたことに、この場所の地下は駐車場になっています。
これが宮殿東庭から垣間見ることができる宮殿の「南庭」。
見ることができませんが、小川も流れているそうです。
私がまず目をひかれたのが、左にある2つの山。
小高く築山を作ったのかと思いましたが、実際には刈り込みです。
「南庭の大刈り込み」といいます。
全高6メートルもあるさまざまな樹木を刈り込んで、まるでひとつの山のように見せています。
刈り込みは樹木の中に梯子を立てて、職人が手作業で刈り込んでいくそうです。
見てみたい。
正門石橋から山下通り
伏見櫓(ふしみやぐら)。
皇居でもっとも美しい建物。
京都の伏見城の櫓を解体移築したと言われています。
皇居の正門鉄橋。
いわゆる二重橋の上にあります。
ここは堀が深いので、当初は橋の上にさらに橋を組んでいました。
文字通り二重橋。
現在は鉄橋に架け替えられているので、二重にはなっていません。
皇居正門につながる皇居石橋を内部から。
高層ビルと石橋と皇居前広場。
江戸と東京が同居する東京らしい風景。
丸いアーチが2つあるのでこれが二重橋だと勘違いされやすいですが違います。
桜と楓が美しい山下通り。
途中でみた皇宮警察のパトカー?
皇宮警察の消防車。
警備と火災予防を兼ねているので、消防ではなく「警防」というそうです。
なのでこれは警防車。
蓮池濠。
梅雨が明ければ綺麗な蓮が咲き乱れるそうです。
参集から数えれば約1時間30分の皇居参観。
歴史散歩としても、散策としても、有意義な時間を過ごせます。
まだ体力があればそのまま東御苑へ。
参考URL
皇居一般参観申込要領
http://sankan.kunaicho.go.jp/about/koukyo.html
皇居一般参観の充実について(平成28年5月31日)
http://www.kunaicho.go.jp/info/toujitsu-sankan-start.html