京都奈良ぼっち旅行記「庭の旅」1日目「葵祭と雅な庭」

京都奈良ぼっち旅行記「庭の旅」1日目「葵祭と雅な庭」

元京都マニアがいく京都奈良の「お庭」を巡るひとり旅

久しぶりの京都・奈良旅行
今回は4泊5日

元京都マニア
京都観光文化検定試験の初回に合格したころにはまっていた
2004年が初回検定だったからその前後
数年間、月に1回は来ていた
でも熱はすぎ
仕事やなんやじゃなくて、ひとりでじっくりと来るのは、およそ10年ぶり

あっという間に1日目が終わった
熱が冷めてから来る京都もやっぱりいい
むしろ今の方が冷静に楽しめている
もちろん、10年歳を重ねたってこともあるけれど

今回はあの頃と違って、初めての大人な京都旅
大人なというか、ちゃんとお金を使う
当時は来ることが目的で、1回でも1日でも多く来たかったから、出来るだけ節約した
交通手段は自家用車か高速バス
今回は新幹線、帰りは関空から羽田へ
当時の宿はサウナやネットカフェや自家用車で車中泊
今回は1泊朝食付きで15,000円くらい
あの頃みたいな旅のほうが楽しいかも

旅のテーマ「庭の旅」

今回の旅のテーマは「庭」
京都奈良には庭がたくさんある

平安貴族が楽しんだ「曲水の庭」や「池泉舟遊式庭園」
浄土信仰が生んだ「浄土庭園」
大名や皇族がつくった歩いて楽しむ「池泉回遊式庭園」
禅の心を体現した「枯山水庭園」
明治に入って西洋を取り入れた庭園や昭和の庭園

日本庭園のジャンルのほぼすべての形式が京都にある
しかもそれぞれの中で最高の作品たちが

過去に少しだけ作庭家や庭師の仕事を手伝っていた
京都の庭は久しぶり
しかも、今は庭が一番美しい新緑の季節
咲き誇る花々の自己主張が収まり
やわらかな緑で覆われる季節
庭はこの時期が一番美しい
個人的には真冬の京都の庭が一番好きだけど

5月15日は毎年「葵祭」
京都三大祭りのひとつ
今回はついでに葵祭と合わせた

いつもひとりで来るときにはかなり歩いてしまう
東京にいるときも2〜3kmなら普通に歩くけど、旅先ではそれが積み重なる
特に京都は少し歩くと次の目的地に行けてしまう
今日1日で歩いたのは
距離:32.6km
歩数:43,180歩
消費カロリー:5,332カロリー
アクティブな時間:464分
・・・
ちょっとやり過ぎ
京都に来るときは脱ぎやすいスリッポン(お寺ではよく靴を脱ぐので)で来るので、靴底ペラペラ
流石に足が痛い

東本願寺と枳殻邸

新幹線で京都へ着いて、まずは歩いてお東さんへ
以前は、京都に着いたら必ず「豊国神社」に寄ってから「三十三間堂」に入っていた
僕の京都ルーティーン
でも昔のルールはもうやめた
今回は庭の旅だし

東本願寺、通称お東さん
いつきても大きい
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特別拝観等はやっていないので、寺内を少しぷらぷらして
御影堂にお参りしてから飛び地の庭園「枳殻邸(きこくてい)」へ
正式名は「渉成園

ちなみによく見る「名勝」というのは、自然関連の重要文化財みたいなもの。
特別名勝」は自然系の国宝だと思えばいい。
特別名勝は日本全国で36件しか指定されていない。

ただし注意が必要なのは、「世界遺産」「国宝」「名勝」いずれも、観光やエンターテイメントとして選定されているわけではないこと。
「あそこの世界遺産に行ったけどなんかしょぼかった」
なんて良く聞くけど、当たり前。
歴史文化的に重要で後世に残すべきものを選んでいるのであって、観光地ランキングではないから。
名勝もしかりで、名勝に指定されているからといって鑑賞して素晴らしいとは限らない。

でもここ枳殻邸は素晴らしいです。
紙1枚の説明書きをくれるのが普通ですが、枳殻邸は違います。
A4サイズフルカラーで上質な紙を使った解説本が貰えます。
これだけで200〜300円くらいで売れそう。

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池泉回遊式の庭園
傍花閣などの建築でも有名
庭だけではなく、庭のところどころに建つ建築も楽しめる

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傍花閣
とても個性的な建物

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回棹廊
屋根付きの木橋

茂った森、池泉、開けた芝生の庭、四角い囲いの中にある庭園だけど、いろいろな表情を見せてくれる
借景?としてみえる京都タワーも面白い
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葵祭

今日はちょうど葵祭
本当は京都御所から出て来るところをみたかったけど時間的にちょっと間に合わない
枳殻邸を出たら、歩いて鴨川を渡り、京阪七条の駅へ
そのまま地下鉄で出町柳まで
改札を出ると、葵祭のスタッフが観覧場所のチラシを配っている
鴨川を渡るところはすでに黒山の人だかり
雑踏警備の警察が大変そう
行列が曲がる「葵公園」でみることにした
行列は10分遅れ、まだ30分くらいはあるけどぼーっと待つ
トンビが凄い
東京のカラスのようにトンビがたくさん舞っている

いよいよ行列が通る
葵祭は人生2回目
牛車が凄い
ただ行列を見るよりも、下鴨神社境内で有料観覧席に座ることをおすすめします
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斎王代

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女官の列
行列は途中までおじさんばかりです。
雅だしかっこいいですが、女性の行列が通るとやっぱり花があります。
ぱっと花開く感じ。
盛り上がったところで、中心人物の斎王代が通ります。

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牛車
牛車も何台か通りますが、牛って凄い迫力。
馬とはオーラが違います。

平安神宮神苑

行列が過ぎだら歩いて平安神宮へ
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平安神宮は建物と白砂の広い庭ってイメージがありますが、神苑もあります
有料なのであまり人が入ってこない隠れ名園
神宮には修学旅行生がいっぱいでもここは静か
平安神宮にはいると、相変わらず白砂がまぶしい
王朝趣味の回廊や楼閣
これはここでし味わえない
庭園にいかなくても平安神宮に行く価値はある

そして庭園へ
有名な庭師・植治の作庭
谷崎潤一郎の細雪でも登場する、しだれ八重紅枝垂れ桜でも有名な名園
ぐるーっと一周
どこを歩いていても水の音が聞こえる
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ちょうど杜若の季節

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泰平閣
さっきの枳殻邸にもあった屋根付きの木橋

無鄰菴

平安神宮を出たら歩いて無鄰菴へ
お向かいは超有名な料亭瓢亭
無鄰菴は小さな入り口から中に入る
元々は山県有朋の別荘
お茶室もある
母屋からみるお庭は額縁効果で素敵
こちらも植治の作庭
無鄰菴のお庭は、「流れ」と芝生がポイント
江戸までの庭園には無い和洋折衷が見事に仕上がった最高の庭園
それほど広くはない
流れは水の音や流れる水の表情にも気を使って作庭されている
素晴らしい

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植治の庭は「流れ」が素晴らしい
人口の小川なのに人口っぽくない
それでいて自然の川とは違う
自然に似せながらもあくまでも言い意味で作為がある
特に水の形と音
水面の模様も計算して水面下の石を配置している
音もちょうどいい音になるように小さな滝を配置する
鑑賞するための「小川」を創造する植治
東山の「借景」で有名な庭だけど、「流れ」が素晴らしい庭です

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南禅寺金地院庭園

次は当初の予定では東寺に行こうと思っていた
特別公開で観智院や五重塔初層が公開されている
でもやめた
お庭の旅というテーマにそぐわないし
なにより東寺まで移動するのが面倒くさい
見たことあるし

ということで、「お庭」がテーマなので近くの有名な庭園、南禅寺塔頭で「鶴亀の庭」で有名な金地院庭園
一見ただの枯山水
でもこの庭はいろいろな意味が込められている
徳川家康と金地院崇伝の気持ちがなんとなくわかるような庭
説明を良く知らないとわからないけど
相変わらず、あの石が鶴には見えない・・

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鶴亀の庭が有名だけど、ちょっとした池泉もあります
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徳川家康ゆかりの金地院には、もちろん東照宮があります。

二条城二の丸庭園

次は南禅寺には寄らず、蹴上駅から地下鉄1本で二条城へ
二条城二の丸庭園が目当て
こんなプランでまわる人はいないだろうし、決しておすすめしない
南禅寺も素晴らしいし、南禅寺のまわりにはいいところがいっぱいある

二条城はあいかわず人がいっぱい
でも以前来ていたときより、外国人が多い気がする
本丸御殿をざっとまわって庭園へ
広い
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ここまででもう夕方17:00
三条あたりで宿を探して飛び込みでチェックイン

西本願寺夜間特別拝観「虎渓の庭」

今日は西本願寺の特別公開がある
17:30から配布される整理券を求めてお西さんまで下る
普通の日は夕方になると観光が終わりだけど、夜間拝観やライトアップがあるとアンコールみたいに楽しめて京都旅行の密度が濃くなる

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整理券の配布は国宝の唐門前
整理券を受け取ったら、19:00過ぎからの観覧なので1時間待ち
その間に適当に夕食をとる

西本願寺の飛雲閣や書院(対面所)、北能舞台、虎渓の庭は、普段は公開されていない
特別公開も年1〜2回のみと結構レア
今回は昼も夜も特別公開をしている
昼は以前来たことがあるので夜のライトアップへ
飛雲閣はこれから工事が始まり、6年くらいみられなくなる。
5/24〜5/31の特別公開が最後の機会かもしれない

虎渓の庭
凄い!
ライトアップされるとこんな表情になるのか
お庭のライトアップもいろいろ見てきたけど
こんなに凄い迫力の庭ははじめて
作庭家の意思とは違うだろうけど、ライトアップが超似合う庭
ずっと眺めていたい・・
撮影禁止なので写真はなし

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中からみら国宝唐門
ライトアップされている

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この中に書院や対面所、能舞台、虎渓の庭がある

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ライトアップされた国宝飛雲閣

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ライトアップされた御影堂

さいごに

ひさしぶりの京都はやっぱり京都で懐かしく新鮮だった
行きたいところが多すぎてとても3日じゃ回りきれない
庭にテーマを絞っていく
まあ、一カ所にずっといる楽しみ方もそれはそれど有意義だけど
スタンプラリーしているわけじゃないし

宿は予約していなかったので飛び込み
京都のこの季節平日なら大丈夫
奈良は予約しないと最悪宿が取れないかお高いところしかない

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