戦後72年間で執行された死刑者数は694名 日本の死刑

戦後72年間で執行された死刑者数は694名 日本の死刑

戦後1945年から2017年までの日本における死刑を数値からみる

※データは計算に合わないところがあるので、おそらくどこかに漏れ等があります。。

死刑
執行数
死刑
確定者数
獄死者数
(病死・自殺)
再審無罪
・恩赦
収容者数
1945年 8
1946年 11
1947年 12
1948年 33
1949年 33 79 0 0 81
1950年 31 25 0 0 73
1951年 24 32 0 0 81
1952年 18 41 0 12 92
1953年 24 25 0 0 93
1954年 30 21 0 0 80
1955年 32 14 0 0 62
1956年 11 24 0 0 75
1957年 39 27 0 0 62
1958年 7 21 0 0 76
1959年 30 12 0 0 57
1960年 39 33 0 0 51
1961年 6 24 0 0 69
1962年 26 13 0 0 56
1963年 12 17 0 0 61
1964年 0 9 0 0 70
1965年 4 7 0 0 72
1966年 4 13 0 0 81
1967年 23 14 0 0 71
1968年 0 11 0 0 82
1969年 18 10 0 0 71
1970年 26 14 0 0 58
1971年 17 7 0 0 48
1972年 7 7 0 0 47
1973年 3 5 0 0 49
1974年 4 2 1 0 46
1975年 17 3 2 1 29
1976年 12 1 0 0 18
1977年 4 3 1 0 16
1978年 3 4 0 0 17
1979年 1 4 0 0 20
1980年 1 7 0 0 26
1981年 1 3 0 0 28
1982年 1 1 0 0 28
1983年 1 1 0 1 27
1984年 1 3 0 2 27
1985年 3 2 0 0 26
1986年 2 0 0 0 24
1987年 2 8 1 0 29
1988年 2 11 0 0 38
1989年 1 5 1 1 40
1990年 0 6 0 0 46
1991年 0 5 0 0 51
1992年 0 5 0 0 56
1993年 7 7 0 0 56
1994年 2 3 0 0 57
1995年 6 3 0 0 54
1996年 6 3 0 0 52
1997年 4 4 0 0 51
1998年 6 7 0 0 52
1999年 5 4 1 0 50
2000年 3 6 0 0 52
2001年 2 5 0 0 56
2002年 2 3 0 0 57
2003年 1 2 2 0 56
2004年 2 15 1 0 68
2005年 1 11 0 0 78
2006年 4 20 0 0 94
2007年 9 23 1 0 107
2008年 15 10 2 0 100
2009年 7 18 4 0 107
2010年 2 8 2 0 111
2011年 0 24 3 0 132
2012年 7 10 0 0 135
2013年 8 6 3 0 130
2014年 3 6 5 0 128
2015年 3 3 1 0 127
2016年 3 6 2 0 126
2017年 2 2 3 0 124
総計
※執行数1945〜
ほか、1949〜
694 788 36 17

1945年から2017年(9月)までの間に、執行された死刑数は「694件」です。
収監されている死刑囚の数は、2017年9月時点で124名。

1949年以降のデータしか入手出来ませんでしたが、獄死者数は36名、再審や恩赦により死刑囚ではなくなったのが17名。
死刑確定者数が788名。
予想に反して獄死者数が少ないです。

死刑廃止という世界的な潮流に関わらず、日本はコンスタントに死刑を執行し続けているということでもあります。
日本弁護士連合会は2020年までに死刑を廃止するという提言をしていますが、おそらく無理でしょう。
一般世論は死刑存置論が圧倒的多数です。
世論に反して正しい立法行為をおこなえるような勇気と力のある政治家は日本にいないですし。
いわゆるポピュリズムの弊害ですね。

フランスでも死刑廃止前の世論調査では、存置派が大多数でした。
ドイツでは戦後すぐに死刑を廃止しましたが、廃止前1948年の調査では存置派が74%、廃止派が21%。
廃止後の1950年調査では、死刑復活に賛成派が55%、反対派が30%。
2000年調査では、死刑復活に賛成派が23%、反対派が53%となっており、法制度の変更とともに国民の意識も変わっていることがわかります。
※ドイツ資料 http://www.moj.go.jp/content/000081717.pdf

死刑存置論には合理的根拠が一切存在しないのですが、ここでは触れないでおきます。

一方、死刑は確定してから6箇月以内に執行するよう法により定められています。

刑事訴訟法第475条
1項:死刑の執行は、法務大臣の命令による。
2項:前項の命令は、判決確定の日から6箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であった者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。

しかし、「判決確定の日から6箇月以内にこれをしなければならない」という文言は一切無視されています。

>本条二項は法的拘束力のない訓示規定であり、法務大臣が六箇月以内に死刑執行の命令をしなかったとしても違法の問題は生じない。(東京地判平10・3・20判タ983・222)

根拠は地裁の裁判例だけ。
「しなければならない」を、命令ではなくただの訓示だと判断するなんて、常識的な日本語からは考えられないのですが、法の世界ではまかり通っています。
憲法9条と同じく、法なんて解釈次第でどうとでもなる一例です(解釈の域を大きく超えているように思いますが)。

私は死刑廃止論者ですが、この「6箇月以内に執行」が無視されている現状もおかしいと思っています。
現状は、いつ誰が死刑執行されるのか、法務大臣(とその下の者)の気分次第です。
司法(裁判所)が慎重に議論を重ねたうえで「死刑」と判断したものを、行政(法務大臣ほか)が気分次第で執行したりしなかったりする。
三権分立にも反しています。

また、死刑囚からしてみれば、いつ執行されるのか一切分からないという現状も作っています。
毎朝、今日は自分の番かもしれないという恐怖が訪れます。
知らされるのは執行の直前。
家族等に連絡がいくのも執行後という徹底した秘密主義ですが、世界的に見ても例を見ない状況となっています。

そもそも死刑というのは「死」という生命刑です。
「懲役・禁固」といった自由刑ではありません。
このため、刑務所ではなく拘置所に収監されます。
死刑囚の刑の執行は死刑の瞬間だけであって、収監は刑の執行ではなく、逃げないようにしているだけ、と理論上はなります。
刑の執行ではないのに何十年も収監されるというのはおかしいのではないでしょうか。
しかも毎朝、今日がその日かもしれない、という恐怖が訪れます。

死刑は廃止するべきであるし、存置するのであれば「刑事訴訟法第475条」を改正するか、条文通りに執行するべきでしょう。

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