西洋絵画の基礎知識15 西洋近代絵画「象徴主義」

西洋絵画の基礎知識15 西洋近代絵画「象徴主義」

西洋近代絵画の象徴主義の基礎知識がわかりやすい。大人として知っておきたい教養、名画・西洋絵画の基礎知識。

西洋近代絵画「象徴主義」 概要

写実主義に代表される見たものを見たままに描写する絵画様式に反発し、見えているものではなく画家の思想や感情、運命などの抽象的なものをなにかに「象徴」させて視覚化する様式、象徴主義が19世紀後半のヨーロッパで生まれました。
産業革命による物質文明至上主義に反発したロマン主義から、さらに内面性を重視し押し広げ、目に見えない概念を表現する表現主義やシュルレアリスム、抽象主義、アールヌーヴォーなどに大きな影響を与えました。
絵画の特徴は、聖書や神話の題材を明暗法や遠近法で描くという古典主義と同じ特徴をもち、一見平面的で古典的でゴシック的にみえるが、一方で華麗な装飾や色彩、大胆な画面構成、幻想的で耽美的であるということでしょう。

西洋絵画史 近代の年表
1800年頃〜ロマン主義
新古典主義
写実主義
ラファエル前派
象徴主義
印象主義
新印象主義
ポスト印象主義
1900年頃〜キュビスム
フォーヴィスム
抽象主義
表現主義
ダダイスム
シュルレアリスム
コンセプチュアル・アート抽象表現主義

ルドン

オディロン・ルドン 1840年〜1916年 フランス 象徴主義

神話の世界を幻想的に描いた19世紀末から20世紀初頭のフランスの画家。
モノクロで幻想的な作風から、カラフルで神秘的な作風へ転換した。

象徴主義 ルドン『キュクロプス』1914年 64×51cm、クレラー・ミュラー美術館
色使いや点描的な描写から、ルドンと同時期に活動していた印象主義とされることもあるルドンの代表作。
「キュクロプス」とは、日本では英語読みの「サイクロプス」と言ったほうがわかりやすい、ギリシャ神話に出てくる一つ目の巨人のこと。
横たわる海のニンフ(精霊)ガラテイアに一目惚れし、優しいまなざしを向けるキュクロプスを描いた。

ギュスターヴ・モロー

ギュスターヴ・モロー 1826年〜1898年 フランス 象徴主義

象徴主義を代表する巨匠。
聖書や神話を主題としてさまざまな作風で描き、後年の作品はフォーヴィスムに影響を与え、マティスやルオーの師匠となった。

象徴主義 ギュスターヴ・モロー『出現』1876年 水彩画 106×72.2cm、オルセー美術館
洗礼者ヨハネの首をヘロデ王に所望したサロメという、聖書の物語で重要なシーンは芸術素材として好まれた。
本作の洗礼者ヨハネの首が空中に出現するという幻想的な演出は、世紀末芸術に大きな影響を与えた。
象徴主義 ギュスターヴ・モロー『オイディプスとスフィンクス』1864年 油彩 206.4×104.8cm、メトロポリタン美術館
ギリシャ神話の英雄オイディプスがスフィンクスのリドル(謎かけ)を解くシーンを描く、モローの出世作にして代表作。
物質的な欲望・誘惑を象徴する美しい女性として描かれたスフィンクスと、それから目をそらさず向かい合う高潔な人間をあわらしているとされる。

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